日本を立て直す 総理大臣の17条

microititaro2005-01-30

           舞黒一太郎の優雅な電脳日記
               目次  http://d.hatena.ne.jp/microititaro/20040911



舞黒一太郎です。


●日本を立て直す 総理大臣の17条 


 宗像内閣の顔ぶれは多くの曲折を経て決定した。与野党問わずの人選が行われ、民間人はそのうち4割を占めた。はじめての閣議のに際し、宗像は冒頭こう述べた。



 「皆さん、わが愛する国が瀕死の状態にあるのはご承知のとおりです。この内閣の使命はそれを立て直すことにあります。未曾有宇の状態でありますから、従来の手法はまったく役に立たないことを認識し、全ての面で根本的改革を行います。お隣の韓国ではIMF主導による改革が、ごく少数の職員により、わずか3年で成し遂げられ、再生されました。私はこれをアメリカ主導のIMFではなく、日本人自らの手で行いたいと考えています。期限目標は5年、もちろん早いにこしたことはありません。みなさんはその先兵です。みなさんの肩は、これからとんでもない重い荷物を抱えることになりますが、私はそれに絶えうる人材を選定したつもりです。頑張ってください。」


 「私のめざす所の第一点は、すでに戦後60年を経過しているにもかかわらず、パーキンソンの法則で指摘されたように未だ現存している、戦後非常対策を引きずっている、すべての役所、機構、規則の廃止です。これはすべて既得権益化しています。特に農業、建設、金融、医療、厚生、地方自治担当の方は心するように」


 「次に行わねばならないのは、官僚が民間を指導する「官主導」をやめることです。現在、民間の経済活動にさまざまな官の介入があり、何をするにもお伺いを立てないと動かないのが現実です。(「馬鹿でひ弱い国民」を、偉くて愛情にあふれた官が、こまごまと面倒見てやる)ことはやめねばなりません。官は偉くないし、国民は馬鹿でひ弱くありません。それを認識するだけで対策案は溢れるごとく出てくるはずです。」


 「三つ目は中央の地方支配をやめます。地方交付金の存在が中央が地方を支配する利権の温床となっており、財源移譲を完全に行った後、地方交付金は廃止します。プロジェクトが双方にまたがる場合は合議の上で対処するといったパートナーとなります。」


 「四つ目は民間で出来ることは一切やらない、おまかせするということです。余計なことをする余力はありません。独占によってのみ成立するというものは一切やめます。」


 「五つ目は不要、不急な公共事業はこの五年間、すべて一時停止または中止します。」


 「六つ目は、公務員の給与水準、待遇を世間のレベルと同レベルに是正します。」


 「七つめはインターネット技術の積極的導入による、国民へのサービス向上と、徹底的アウトソーシングによるコストダウンを計ります。インターネットの利点の一つに、通信コストが劇的に下がったことがあげられますが、我が国の多くの官公庁、金融機関、関連事業体は、それを国民に還元する意志がまったくありません。その背景には独占事業であったり、免許制という、競争者が簡単に参入出来ない事情があります。コストは劇的に下がっているのに、それにあぐらをかいており、既得権益化しています。これら意味のない特権は可能なかぎり廃止します。アメリカが立ち直った理由は、このIT技術を利用したグローバル化にあることを肝に銘ずべきです。」


 「八つめは国民、国の安全、利益を守る警察の改革をおこないます。(悪を許さない)の原則に戻り、現在のような罰金を収入源化して国民をはめるといった信頼を失うすべての行為をやめ、遊技業界の明瞭化、悪質刑罰の強化を行います。」


 「九つめは第二の国家予算である特別会計を食い荒らす外部団体の原則的廃止を行います。」


 「十番目は特別会計の資金運用を素人の官僚にまかせるのをやめ、プロに委託し、利益増大を計ります。年金赤字の最大理由である少子化傾向を防止するのは、諸対策を行ったとしても難しいと思われます。それであれば逆の発想でこの資金を積極的に増やす、という発想で進みたいと思います。」


 「十一番目は、医療改革です。医療総額のムダを排除するために重複診療、重複投薬をなくします。そのためにはまず受診票もカルテルもリセプト(診療報酬明細書)を全部電子化して、ICカード化します。かつ診療内容も精査し、効果のないムダな治療や、同じ効果なら安い薬を使うという、あたりまえのことを実行します。」


 「十二番目は国民の教育負担をダウンさせねばなりません。現在大学卒業までの一人あたりの費用は地方の方の場合、国立でも1900万、私立では2400万もかかっており、それに塾などの費用がさらに上乗せされます。これでは子供を持つ人と、持たない人の可処分所得がまったく違ってきます。まして子供が親を養わないという風潮が定着化し、老後の生活を見てもらうという、見返り期待で親が子を育てることの意味はもはやなくなっているのです。今のエリート育成、学歴偏重という、(非効率、無駄な勉強、組織、システム、雇用)を根本的に改革いたします。
 少子化の大きな原因の一つは、教育費が高すぎるからで、子供を産むと(子育てという楽しみ)に比べ、比較にならない(貧困原因)が襲ってくるからです。つまり子供を産まないのではなく、子供を産めない国になっていることを自覚せねばなりません。少子化で悩んでいる国の多くが、教育費の異常な高い国なのです。人材をブランドで選んでいては、グローバル化についていけないことは明白です。このためには、今の教育制度を根本から改め、国を先頭に、民間での人材採用にも実力、人物本位なものにする必要があります。」


 「十三番目は高速道路料金をメンテナンス代だけ徴収し、実質、無料化します。この実現がなされれば、産業の輸送コストが下がるだけにとどまらず、企業の工場や集配センター、国民の住宅は大都市でなくともよくなり、過疎への傾向一辺倒であった、地方の大活性化が期待されます。たとえば一般に通勤時間が30分なら恵まれた勤務先といえますが、高速道路で30分となれば、どれだけ恵まれた通勤エリアが広がることでしょう。」


 「十四番目は、我々だけでは決断出来ない時、国民の判断を仰ぐシステムを作るということです。今の議院内閣制では国民意志の反映が十分ではありません。議員は国民の命まで預かっているとは思えません。国民生活にきわめて重大な影響を及ぼす問題について、大いなる不満があっても、数年に1回あるだけの選挙でしか意思表示できないシステムは完全に時代遅れです。ITがこれだけ発達した現在、機動的な国民投票システムを構築することが必要です。」


 「十五番目は、徹底的な省エネ対策をおこないます。省エネを行う装置、システム、研究に補助を与え、コストダウンを計ると同時に、人類のため、子孫のための地球のクリーン化に取り組みます。」


 「十六番目は税制を変えます。今の複雑な税制を改め簡素化し、不公平のないものにします。(貧しからずを憂えず、等しからずを憂う)を忘れないように」


 「十七番目は公務員、準公務員は国民のためのサービス業であることを再確認し、今までの評判のわるかった、(働かざる者が喰いすぎ)ということを根絶します。


 いずれにせよ明治以来、いままでは、先進国に追いつけ追い越せがすべてでした。しかし先進国がすべてさまざまな問題を抱えている現在、盲目的に取り入れておれば間違いはないというモデルは少なくなっており、これからは自分で考えていかねばならなくなっていることを、改めて認識していただきたいと思います。
 国民はほとんど知りませんが、国の収入の半分が借金の元利払い、かつ残りの大半が人件費、これがわが国の現状です。これではではなにも出来ません。やっているのはすべて借金でやっているのです。ていねいに説明すれば小学生でもすぐわかるこの異常状態なのです。


 これ5年で立て直すには、通常のやりかたはまったく役に立たないことは明白です。方法論としてはお隣、韓国で行われたIMFのお手本がありますので、早急に研究、プランを立てていただきたい。よろしくお願いします。」