銀行の手数料はなぜ高い

microititaro2005-01-25

        舞黒一太郎の優雅な電脳日記
         目次  http://d.hatena.ne.jp/microititaro/20040911



 舞黒一太郎です。


●銀行の手数料はなぜ高い


  インターネットの利点の一つに、通信コストが劇的に下がったことがあげられ
ます。にもかかわらず我が国の多くの官公庁、金融機関、関連事業体は、それを
消費者に還元する意志がまったくないようです。その背景には独占事業であった
り、免許制という、競争者が簡単に参入出来ない事情があります。コストは劇的
に下がっているのに、それにあぐらをかいており、既得権益化しています。実質
的には金融機関のドル箱です。



 銀行の窓口での(1件あたり)電信振込送金手数料の一般的なものは、以下の
ようなものです。


3万円未満 同一店舗内 210円
店舗間 315円
他金融機関 630円
3万円以上 同一店舗内 315円
店舗間 525円
他金融機関 840円


インターネットの通信コストは1円もかかりませんので、さまざまな経費を考え
ても、50円も取れば十分利益が出るはずです。


 ではなぜこのようにべらぼうな送金手数料を設定しているのでしょうか。その
最大理由は(過去、通信インフラ作成に膨大な投資がかかっており、その費用が
含まれているから)ということです。


 一見この論理はすじが通っているように思えますが、完全に間違っています。
それを飲食店経営希望のAさんが、既存の店舗を買う話で検証してみましょう。


 売り手のオーナーBさんはこの店舗には金を4000万かけており、売り希望金額
は2000万円と言います。Aさんが見ても結構立派な設備です。手に入れても追加
投資はほとんどいりそうにありません。Bさんの言う売上もまずまずで、Aさん
の持っているノウハウを導入すれば、さらなる上乗せも可能と思われます。Aさ
んの心は動きました。


 ところが慎重なAさんは、Bさんの取引先からの情報収集、信用調査などを行
い、Bさんの言うところの売上は実際の6割しかないことが判明しました。これ
ではやっていけません。やっても赤字の店など、いくら資本が4000万かかってい
ようと、タダであっても、逆にお金をもらってもやってはいけない店なのです。


 しかしAさんは自分のノウハウを入れれば黒字化する自信がありました。そこ
でBさんとの交渉にはこう言いました、「少しでも元を取り返したいBさんのお
気持ちはわかりますが、今の状態ではとても経営が成り立たないのはおわかりに
なっておられるでしょう。したがって私はタダでもいらない状態です。しかし私
のもつノウハウを注ぎ込めば、なんとかやっていけるかもしれません。しかしそ
れには資金がかかります。申し訳ありませんが、今、私があなたに提示できる金
額は300万までです。ご不満でしょうが、その条件でなければ、この件から降りさ
せて頂きます。」   結果的この取引は成立しました。



 つまり(いくら資金を投入したものであろうと、そんなものは関係なく、今の
価値が問題である)という事実の認識をすることなのです。


 金融機関のみならず、アウトソーシングと個人のインターネット化は急激に進
んでいます。もう手の内はバレバレなのです。新しい状況に適した体制ずくりが
必要です。