日本はどうなるのでしょう

microititaro2005-01-22

  舞黒一太郎の優雅な電脳日記

         目次  http://d.hatena.ne.jp/microititaro/20040911




 舞黒一太郎です。


 「日本はどうなるのでしょう?」との疑問は、程度の差はあれ、誰もが抱いて
いると思われます。日本の借金は戦後60年も戦争がないにもかかわらず、10
00兆円にも達し、国債の残高も538兆円という巨大なもになっています。こ
の額は、無策の小泉政権下、改革の言葉とはうらはらに、加速度的に増え続いて
います。


 私は以前「環境税導入で思うこと」の中で、国家税収44兆円の12%を越え
ている石油税収が、「国家による詐欺的行為により成り立っている」と指摘しま
した。
 これは1957年に成立した特措法を根拠にした、1974年の石油ショック
時に、財源不足を補う目的で「2年間の暫定措置として」出された取り決めの約
束を勝手に破り、現在まで継続している現実があるからです。その結果、たとえ
ばガソリン1リットルあたり28円の税が53円と、ほぼ倍増され世界一高い値
段となっています。このおいしさに味を占めた国は、オイルショック後になって
も、元に戻すことは二度とありませんでした。


 これと同じことが国債発行でおこなわれています。戦後、日本が最初に国債
発行したのは1965年です。それまでの日本の財政は借金なしでやってきたの
ですが、当時としては未曾有の不況に見舞われ、予想した税収が集まらなかった
ため歳入欠陥が発生し、やむをえず2000億円の国債を発行したのです。しか
しこれはあくまで一時的な措置だったのですが、これが禁断の途に踏み込むきっ
かけとなってしまいました。


 一度贅沢を覚え、借金のうまみを知った政府は、やがて毎年のように国債を発
行して不足する財政資金を賄うことが当たり前となっていきました。財政法では、
基本的に国債の発行で財政を運用することを禁止しているのにもかかわらずです。


 本来、公共事業以外には国債を発行してはいけないのですが、単年度で収支を
合わせる必要があったため、制度をねじまげて「特例国債」という法律でいわゆ
る「赤字国債」を発行しはじめました。その年に限ってという措置ですが、麻薬
同様、「特例」も1回で終わりませんでした。


 歳入欠陥で始まった国債発行が、やがて公共事業の財源と化し、いまや国債
政府の打ち出の小づちになっています。


 しかしこんな馬鹿なこと、しょせんは政府補償とはいえ紙切れ一枚であること
に代りはなく、江戸時代に多発され失敗に終わった藩札のごとく、ハイパーイン
フレに陥ることは明白です。



 これを解消する方法は一つしかありません。今すぐ赤字事業、特に戦後60年
たっているにもかかわらず残存している、全て不必要事業を廃止し、国債発行ゼ
ロに見合う組織に改革します。まずはプライマリーバランスという悠長な段階で
はありません。その対策には赤字減少対策も含めますので、より厳しいものにな
ることでしょう。しかしこの実施には国家、地方公務員の大幅整理が必須になっ
てきます。


 それを今すぐ行わなければ、「死」があるところまで追いつめられていること
を認識せねばなりません。ものわかりのよい、マスコミ、有識者の言う「国も苦
しいのだから国民も協力するべきだ。応分の負担はしょうがない」という言に惑
わされてはなりません。その風潮に押され、消費税増税など既に当然視されてお
りますが、癌の元を切らないでおこなう増税など、どこに使われるかわかったも
のではないのです。


 それをなのに麻薬患者に、自分で自ら治す方法を聞く愚かさを、今の政府、野
党、マスコミ、国民は演じ、時間を浪費しているのです。