赤字企業が日本の雇用を支えている

microititaro2005-01-17


 舞黒一太郎です。


 ○赤字企業の危機、実は赤字企業が日本の雇用を支えている



 再三申し上げていることですが、不況下で構造改革を行うことは禁じ手です。しかし700兆円近くの大赤字を抱えていては禁じ手も止むを得ない、という小泉首相に国民は賭けたわけです。そもそもこの構造改革のターゲットは、バブル体制を未だ堅持している(官)と、それにぶらさがっている企業、団体であるはずなでしたが、そのすざまじい抵抗にたじろいでしまい、こともあろうか無関係の(民)に振ってきています。この変身はまったく言語道断といわざるを得ません。


 このシワ寄せが赤字中小企業を直撃しています。今の無責任銀行は決算表が赤字である企業には見向きもしません。デフレの進行とともに、唯一の財産である不動産の目減りが激しく、そのための担保不足が直撃しています。借りるどころか追加担保まで要求され、そのため運転資金にもことかくようになってきている企業も多く、雪崩れ的倒産ラッシュがはじまっています。



 赤字企業は企業の7割を占めていますが、利益が出ていないため、消費税は払っていますが、所得税を払っていません。国にとっては半人前というとこでしょう。しかし見逃してはならないのは、(膨大な人数の雇用を担って入る)という現実です。これらの人達が倒産によって失業者に変わるということを見逃してはなりません。いいかえれば日本の雇用は赤字企業が支えているのです。この実情を、国も、政治家も、国民もほとんど知っていません。「赤字企業は社会の落ちこぼれ」これが社会の常識となっていますが、実態はそうではありません。赤字企業に勤めている人でも所得税はちゃんと払っているのです。



 (官ぬくぬくと、民に厳しく)の小泉首相構造改革は間違っています。構造改革の必要性は大いに認めますが、マトが狂っているのです。その対象は(官)に限定すべきです。


 今(民)へ必要なのは(消費税減税)などの景気刺激による消費の回復であり、中小企業を元気にすることです。リストラと中国景気によって大企業の好決算が続出し、政府は景気回復ムード一色ですが、この好景気は人の再雇用にはけっして結びつく性質のものではありません。



 地方の景気は冷え切っており、目立つのは、年金生活をしている元気な年輩者だけという現実を、為政者はもっと現実を直視すべきだと思います。(赤字企業が日本の雇用を支えている)、(もっと赤字企業を大切に)、(中小企業の活性化)という、先達の知恵を学ぶべきではないでしょうか。