ありがとうウインカー

舞黒一太郎です。 2005/3/02


 日本人のモラル低下は目を覆うべき惨状ですが、私はその原因の一つとして自
動車運転における運転者及び警察のマナー、モラルの喪失にあると考えています。


 恥ずかしいことですが、私の住む所は特に自動車運転マナーの悪さで有名です。
信号が黄色の場合は「進め」!、赤であっても横から青で発信した他車が、自分
にぶっつかるまでの時間を計算して進むという、アクロバット運転をする不心得
者が実に多いのです。
 また方向変更のウインカーによる指示サインを出さずの割り込みは日常茶飯事
であり、安全運転のために少しでも車間距離を取れば、ただちに確実に割り込ま
れます。こういう劣悪環境の中で生きてゆくための日常生活を送り続けるうち、
人はいつのまにか知らず知らずのうちに性格が悪くなっているのです。


 しかしながら、最近ついうれしくなるマナーの持ち主が急増してきました。そ
のうれしいマナーは「ありがとうウンカー」といいます。たとえば横の路地から
本線に入りたいとき、本線にいる人がそれを察して入れてくれた場合、こちらは
本線に入ってから「ありがとうウインカー」を出し、割り込みを許してくれた相
手に感謝の意を伝えます。「ありがとうウインカー」というのは「ハザードラン
プ」を5秒程度動作させ、左右両方に点滅信号を出すことにより、感謝の意を伝
える行為のことです。


 心から「ありがとう」と言われることが相手にとってどんなにうれしいか、多
くの人はそれに気づいていません。うれしいと、もっと褒められたくてさらによ
いことをするという、いい循環、連鎖に入っていきます。


 「ありがとうウインカー」の発信方法を知らない人はまだまだ多いのですが、
知った人の急増は、気づまりなことの多い最近の私にとって、とてもうれしいこ
とでありました。見るところ発信者の年齢は全範囲にわたっています。年齢に関
係はないようです。見知らぬ人との心のふれあいは、小さな幸せを生んでいきま
す。