こっそりと進む教育改悪の実態

舞黒一太郎の優雅な電脳日記

   
目次 http://d.hatena.ne.jp/microititaro/20040911



 

 舞黒一太郎です。


 世間ではまったく注目されていませんが、自民党公明党の与党で構成する教
基本法改正協議会が中間報告をまとめ、発表しました。このように中央教育審
議会で教育基本法の「見直し」が着々と、急ピッチでが行われています。


 ただその内容は、国民のためではなく、行政のためという色彩が濃いもので、
「改革」という名目での「改悪」です。


 その中で特に注目すべき点は、現行法の第10条で、


第1項で(教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を
負って行われるべきもの)と規定しています。


第2項で教育行政は…諸条件の整備確立を目標とするとしています。


 その狙いは、教育と教育行政の基本的な関係を明確にするとともに、行政権力
の教育に対する介入を厳に禁じ、教育行政の教育条件整備義務を規定したことに
あります。


 ところが報告は、第1項の最初の部分、(教育)の所を(教育行政)に置き換
え、教育の国民に対する直接責任に関する規定を削除しています。これはきわめ
て大きな意味を持っています。つまり行政権力の教育現場への介入を阻もうとし
た、現行法の意図を捨てることを意味し、行政が教育の「主体」となり、教育行
政に対する国民の批判、意見等を、自分たちに都合が悪ければ排除、退けること
を可能とするものです。


 また教員の項では、「教員は(国民)全体の奉仕者」を削除しています。これ
は、「国家のため」「天皇のため」の奉仕者であった戦前の教員のありかたへの
反省を消し去るものであり、国家への忠誠をうながす狙いがあると思われます。


 これだけ教育費をかけているのに、4年生以上の小学生の4割が、天動説を信
じ、10年も英語を学習しているのにほとんどの人が英語が話せないという教育
をしてきた行政、責任政党が、このたびやろうとしている教育改正は、まったく
的はずれの、自分たちの利権のみ目的としたものと言わざるをえません。