電子投票は不必要、インターネット投票こそ必要だ

舞黒一太郎の優雅な電脳日記

   
目次 http://d.hatena.ne.jp/microititaro/20040911



 

 舞黒一太郎です。


 米大統領選挙で不思議なことは、世界最高のIT国家であるにもかかわらず、
不正選挙の横行が絶えないアジア後進国と同様、投票による不正疑惑が続出が横
行していることです。規定時間に投票出来なかったり、投票所に行った人数と選
挙を受け付けた人数が大幅に違っていたり、無効投票と断定された数の異常さな
ど、先進国では考えられない事態です。そのため選挙の結果の確定は、当日どこ
ろか、2日も3日、最悪の場合1週間後になるといったこともありえるのです。


 特に問題視されているのは、最新IT装置といわれている電子投票システムで
す。これは候補者を選び、用紙に書くという投票者が投票に要する時間を短縮で
きるため、従来よりは桁違いの投票を処理できることになります。ところがニュ
ースによると、投票時間を過ぎても処理出来ず、投票時間を延ばしてるとのこと。
またいったん投票されたものは、入力した時点で集計は終わっており、集計する
事務方の作業が必要となくなるため、選挙結果算出がスピードアップします。ま
た人を介さないため不正が起こらないとされています。


 元電子装置設計者としてこの電子投票システムを考えてみるとき、これは他の
装置同様、あくまで設計者、あるいは発注者の意図通り動くものであり、選挙と
いう公正さが必要なものにとっては、全面的に信頼できるものではありません。
というのも公然の秘密となっている、店側がおこなっているパチンコのROMの
不正操作と同様なことが可能であるからです。


 たとえば山田候補者のボタンを押すと2回に1回カウントし、カウントされな
かったものは他候補にカウントされるという設定が出来るようにしておけば、山
田候補はまず落選します。この結果は出口調査とは当然異なってきますが、数が
競っている場合に時系列的にその対比を変更出来るような、巧妙なシステムにし
ておけば、まずばれることはありません。後進国ではこれを人為的におこなって
います。


 わが国の場合、インターネット投票には極めて冷淡ですが、電子投票システム
の導入にはきわめて熱心で、その実験には国、地方から多額の補助金を出してい
ます。わが国場合、電子投票システムの導入が投票率のアップにつながる可能性
はゼロで、事務の省力化でしかありません。現段階の電子投票化の動きは、税金
の無駄遣いでしかありません。