小泉さん、貴方に子供の命まで預けたわけじゃない

舞黒一太郎の優雅な電脳日記

   
目次 http://d.hatena.ne.jp/microititaro/20040911



 

 舞黒一太郎です。


 小泉さん、選挙で選んだとはいえ、私は「貴方に子供の命まで預けたわけじゃない」と言いたいのです。民主主義のルールを無視する首相と、彼を盲信する国民は猛省を促して欲しい。戦争に行くのは強気の年寄りではなく、従わざるを得ない、弱い若者たちなのです。
  

 小泉氏による自衛隊アメリカ支援のための出動は、国会討議を得ていない、拡大法解釈のもとに行われる非合法行為そのものです。その気があれば物理的に国会開催日数を取れたにもかかわらず、国会での討議を経ず、ワシントンに飛んでブッシュ大統領に忠誠を誓う小泉首相の行為は、まさにわが国の民主主義を否定する行為といってよいでしょう。しかしこの行為をおこなう小泉内閣を70%もの人が支持しているもようです。トップがトップなら、国民も国民で、もう少し冷静になって、自分の生活、自分の子供の将来を考えなくてはなりません。

 アメリカが起した戦争は本当に正義の戦争なのでしょうか。今回の事件は驕れるアメリカ単独に向けられたテロの可能性も高いのです。もちろんテロ犯人は罰せられなくてはなりませんが、なぜ国連のルールを介しての解決ではダメなのでしょうか。その道を主張すべきに日本が、まっさきに後方支援をおこなう事の重大性をもっと認識すべきです。



 後方支援とは押し込み強盗をする際、強盗ではなく、見張り役をやっているようなもので、押し入られた方の立場からすればまったく同罪です。アメリカのビンラーデイン氏への復讐が、本当に犯人であるかどうかの確認もなされず、また純粋にこのテロ事件に限定されるのかどうかもわからず、この宗教戦争に(参戦)を決めた小泉氏の行動は、外交的に軽率かつ現行憲法に対する犯罪的行為そのものです。(フランスをはじめ、他の多くの国の外交的したたかさを見るにつけ、わが国の思慮のなさを感じます)


 独立した国家が自国の国民、権益を守るため軍隊を持つのは当然です。しかし第二次世界大戦後、日本の場合、アメリカを中心とする進駐軍平和憲法を持ち込み、その結果世界史上例のない、軍隊を持てないこの憲法に従って五十数年も生きてきたわけです。そのため湾岸戦争などでは参戦できず、巨大な軍事費を負担しながら馬鹿にされるといった事態を生み出しました。これを恥ずかしいと取るか、これが日本のやり方と居直るか、この時点で結論を出すべきであったにもかかわらず、10年も先延ばしした結果、また同じことが起こってしまったわけです。



 この憲法が間違っていると思うなら、国民に憲法改正を提言し、改正すればよいのです。かりに間違っているとしても、みんなが納得して決めたことは守るのが民主主義です。その場合、愛する自分の息子が死ぬようなことがあっても文句は許されません。しかしこの手続きをせず、今まで行ってきた自衛権の法解釈勝手にかえ、参戦を行うという今回の小泉氏の行為は、絶対に容認できません。国民主権のもと、忙しい我々に代わって通常行為、実務処理をまかせてはいますが、(自分の子供の命まで預けたわけじゃない)のです。


 民主主義ルールを守れない人は、これから何をやらすか信用できませんので、即時退陣を求めます。また第二次世界大戦中の大政翼賛会当時のように、批判精神を忘れ、妙に政府にものわかりのよいマスコミと、それに踊らされている国民の猛省を促します。