お釈迦さまの手のひら

舞黒一太郎の優雅な電脳日記

   
目次 http://d.hatena.ne.jp/microititaro/20040911



 

 
○人生はめぐりめぐって、堂々巡り


 舞黒一太郎です。


 最近投資についての話が多くなっています。どちらかというと金銭欲の薄いタ
イプの私が、なぜこの分野に興味を持つようになったのかを自分に問いかけてみ
る機会があり、そこで気がついたことがあります。



 私は学校を出てた後、精密測定器のメーカーで、新製品の開発に携わっており
ました。最初に手がけたのが(真円度測定器)と呼ばれるもので、自動車の心臓
部であるクランクシャフトやブレーキなどの円形部品の精度を計る測定器でした。
 国産のものはほとんどなく、主力はほとんどイギリス、フランスといったヨー
ロッパ外国製のものでした。円形部品の精度向上、小型化は工業界の切実な要求
であったため会社の期待も大きいものがありました。



 当時、真円度測定器の最高レベルにあったのは、板橋にあった通産省の計量研
究所にあったイギリスのテーラーホブソン社製のもので、分析用コンピューター
のみで1500万もするおおげさなものでした。


 私はもともと電気回路設計者であり、機械の設計、加工法についてはまったく
の素人であったため、プロジェクトの機械責任者におんぶにだっこ状態で、その
開発作業は苦労の連続でした。また真円度についての理論もまったく確立してい
ないことがわかってきました。


 1本の(こけし)のような丸い棒を作るには、棒の両端を固定し、回転させ、
それに刃をあてるより実現します。この刃のかわりに測定検出器を付ければ、そ
の円形物の円形状況を掴むことができることになり、これが真円度測定器の正体
であったわけです。


 私はこの研究に携わっているうち、この物体の円の測定とは1回転という1つ
の波動の中の出来事なのであるという、単純なことに気ずいたのです。(なんじ
ゃ、あたりまえのことじゃんか)と思われるかもしれませんが、まさにコロンブ
スの卵でした。ここに気づくとと、両端を固定するポイントが狂っていることか
ら派生する(偏心)も1サイクルの波形で検出できます。この1サイクルの波形
を(偏心)と(表面波)に分離して考えることにより、(偏心)を最小化するよ
うに固定点を自動移動する動作と、(表面波)の解析によりさらに表面の滑らか
さを進展させる加工法の追求するという二つの方向性が明確になりました。


 この理論を基に、私はこの動作を特殊なフィルターを設計することをにより実
現し、テーラーホブソン社製1500万のもの以上の機能をもたせたものを実現
しましたが、そのコストがあまりに安かったため、ブランド信仰の世界では信じ
てもらえず、頓挫してしまいました。(笑)



 長々と昔話をしましたが、何を言いたいかと申しますと、投資も波動の世界そ
のものであるということです。いかなる投資対象にも波動があり、その中にはす
べての情報が含まれています。(表面波)の分析は情報の最先端現場にいる者や、
インサイダー、プロの世界の独壇場かもしれませんが、それ以外はチャート分析
方法、統計理論、OR(オペレーションリサーチ)を学べば解析可能です。


 結局、若い頃携わった波動の世界に、今だに惹かれ取り憑かれているだけなの
かもしれません。新しい分野に取り組んでいるつもりが、同じ事をやっているだ
けなのであり、まさに孫悟空の、お釈迦様の手のひらであがいている状態なので
す。