持っているけど使われないパソコンの急増
舞黒一太郎の優雅な電脳日記
目次 http://d.hatena.ne.jp/microititaro/20040911
舞黒一太郎です。
最近パソコンは持っているけれども全く使わない人が急増しています。それは携帯電話の進化に起因しています。
メールについて言えば、携帯電話メールは、かっては字数制限があり、それは簡易メールと位置づけられていました。しかし文字制限はほぼなくなり、パソコンと同様になっています。またいろいろな生活情報を提供する携帯のコンテンツ(携帯ホームページ)も多様化し、量的、質的にも十分ことたりるようになってきました。
そうなると携帯電話の、すぐ立ち上がるスピーデイさ、どこでも使える手軽さ、ポケットに入る大きさといったあらゆる点で、パソコンはまったく問題になりません。肝心の価格も、最高機能機種さえもパソコンと比較にならないほど安く、基本機能だけならタダのものさえ存在します。それに加え、実用に耐えるデジカメを内蔵したり、TVやFMラジオが使えるもの、フラッシュメモリーを使いジュークボックスや音声レコーダーとしても使えるもの、また商品の決済や電車の定期がわりに使える機能のあるものまで登場してきました。
またパソコンのようにとりたてて難しい勉強する必要もないし、唯一の障害であった料金の高さも、パケット定額制の導入により、安い料金で使い放題を選べるようになってきています。これで全体の料金体系がさらに安くなれば、パソコンから携帯への回帰の動きにさらに拍車がかっていゆくことと思います。
かりにノートパソコンであろうとも、マシーンをよっこいしょと取り出し、電源を入れるまでの作業がめんどくさいうえ、電気製品なのに立ち上がりに2〜5分もかかるもどかしさ、、、今まで気が付かなかった、また誰も指摘してこなかった、商品として致命的な問題を、この携帯の隆盛が教えてくれています。これではパソコンを持ったけれども、今はほとんど使わない人が急増しているのは、当然のことかもしれません。
パソコンはいまや業務用に回帰しており、メールはHTMLメール、私的なDVD鑑賞やTV鑑賞、年賀状などの葉書作成、住所管理、ゲーム、デジカメ写真管理、音楽作成、インターネット電話、ブログ、障害克服、HP作成、投資、(音楽、映画)ジュークボックスといったマニアックな用途に特化しているように思います。
しかしビジネスの立場で考える場合、このたびのプロ野球のゴタゴタに新規参入の意思表示をした所がいずれもIT関連会社であったことを考えると、パソコンビジネスは全盛期に入っていることも事実です。しかし「パソコンは持っているけれど、さっぱり使わない人」の急増は、(神の与えてくれた贈り物)を、(よい空気)、(よい水)と同じく、粗末に扱っている気がしてなりません。