ソクラテスは笑っている 小泉手法

舞黒一太郎の優雅な電脳日記

   
目次 http://d.hatena.ne.jp/microititaro/20040911



 

 舞黒一太郎です。


 小泉首相イラク派遣を正当化するため、こともあろうか憲法9条の前文を持
ってきて失笑を買いました。独立国家が戦争をするのはままあることですが、わ
が国は自衛以外の戦いは許されていません。にもかかわらず「白を黒」という詭
弁を平気で押し通しました。


 真に国のためアメリカに追従するなら、その方が国益になるからと国民を説得
し、堂々と憲法改正をおこなった後、イラク派兵すべきなのです。それをなさず
になし崩しを行っているのですから、法治国家という名が泣いています。法治国
家では改正されるまでは「悪法も法なり」で、為政者といえども従わなくてはな
らないのは当然のことです。


 こういった(きまり)を、自分の有利なように詭弁を弄して変えて運用するこ
とが、いかに国益を損ない、教育を歪めているかを厳しく追及しなくてはなりま
せん。


 そこで想い出すのはギリシャの哲学者ソクラテスの最後の言葉「悪法もまた法
なり」で、彼は法の定めにより死を選び、著書を残していないにもかかわらず、
結果的に後世に名を残すことになりました。いま彼は日本の現状を見ていかに思
っているでしょうか。


ソクラテスは当時賢人と呼ばれていた人々を次々にたずね、「アポロンの宣託の
通り自分が最も知恵があるのかどうか」、を知るために対話を行った。しかし、
ソクラテスのこの行動は、結局相手が「知っていると言っていることを、実は知
らないのだ」、ということを暴くことになった。相手は論破され恥をかかされた
としてソクラテスを憎むようになった。このため、「アテナイの国家が信じる神
々とは異なる神々を信じ、若者を堕落させた」かどで公開裁判にかけられること
になった。ソクラテスは自身の弁明を行い、自説を曲げたり、自分の行為を反省
したりすることを決してせず、追放も拒否し、結果的に死刑を言い渡される。逃
亡・亡命も勧められたが、これを拒否。毒ニンジンをあおり、刑死する。この顛
末は弟子であるプラトンの著作『ソクラテスの弁明』『クリトン』『パイドン
に詳しく書かれている